今回の記事は、うつ病になってしまった、うつ病になりかけで働くのが辛い、だけど仕事を辞めるとお金が心配という方に欲しい記事です。
社会保険である「傷病手当」と「失業手当」を活用することで解決します。
目次
全体概要
傷病手当で最長1年6ヶ月と失業手当で最長1年、退職後に合計で2年6ヶ月の収入を確保出来ます。
傷病手当とは
病気、ケガで会社を休み十分な収入をえられない場合に支給される手当です。
支給額は、給与の約2/3です。(例:月収30万円の場合、月々20万円支給されます)
失業手当とは
失業してしまい次の仕事が見つかるまでの一定期間、支給される手当です。
支給額は、給与の約50~80%になります。(年齢、離職時の年収によって異なります)
手順
退職1ヶ月前からの事前準備
退職1ヶ月前からの事前準備は、傷病手当をもらう条件を満たす退職をするためのものです。
傷病手当 受給の条件
傷病手当 受給の条件は下記の通りです。
※この4点を必ず守ってください。
- 健康保険の加入期間が連続12ヶ月以上
- 退職費の前日までに連続3日以上養生のため会社を休む
- 3連休の初日に病院で受信して医師に「働けない状態」と証明してもらう
- 退職日は、欠勤する
健康保険の加入期間が連続12ヶ月以上
健康保険の加入期間が12ヶ月未満の場合は、傷病手当がもらえませんので、心配な方は、勤務先への確認をお願いします。
退職費の前日までに連続3日以上養生のため会社を休む
傷病手当は、病気やケガの療養のため、連続して仕事を休んだ日から3日間(待期期間)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日(労務不能)に対して支給されます。待期3日間の考え方は会社を休んだ日が連続して3日間なければ成立しません。連続して2日間会社を休んだ後、3日目に仕事を行った場合には、「待期3日間」は成立しません。
3連休の初日に病院で受信して医師に「働けない状態」と証明してもらう
どこで | 精神科、メンタルクリニック |
医師に伝える内容 | 働くことが難しいので会社を休むために「診断書」を出して欲しい |
注意点としては、原因が「職場のストレス」となると労災扱いになってしまいます。労災は認定率が約3割のためオススメしません。原因は「不詳」が望ましいです。
退職日は、欠勤する
退職日に出勤して給与が払われた場合、退職日が傷病手当金の受給対象とならず、退職後に傷病手当金が受給できません。会社はこの点に注意して、退職予定者と最終出勤日を決定することが重要です。
退職後 – 傷病手当申請
傷病手当申請の手順は下記の通りです。
- 健康保険を切り替える
- 年金の免除申請を行う
- 所属していた健康保険組合/協会から申請書をダウンロード
- 申請書を自分で記入
- 申請書を医師に記入してもらう
- 申請書を会社(総務部)に記入してもらう
- まとめて健康保険組合/協会に送付
- 1ヶ月ごとに通院
1.健康保険を切り替える
退職後は、健康保険を切り替えるもしくは、以前勤めていた会社の健康保険を継続する必要があります。
国民健康保険に加入する
国民健康保険への加入手続きは退職日の翌日から14日以内に行います。このときに、前職の会社を退職した事実がわかるものが必要になります。前職の会社から健康保険の資格喪失連絡票等の発行を受け提出するのが原則ですが、雇用保険の離職票の写しや後述する健康保険資格喪失証明書の発行を年金事務所で受けて提出することもできます。国民健康保険には扶養の概念がありませんので、加入者分(例:今まで扶養家族3人なら自分と合わせて4人分)を支払うことになります。
以前勤めていた会社の健康保険を継続する
以前働いていた会社で加入していた保険を最長2年間継続することも出来ます。
加入には条件があり、①退職日以前に継続して2カ月以上の被保険者期間があること ②退職日の翌日から20日以内に手続きが必要 この2つをクリアする必要があります。また、最長で2年間しか継続ができませんし、一度任意継続を始めたら原則、2年間の間に国民健康保険に切り替えたり、家族の扶養に入ったりすることもできません。(ただし、負担する保険料の支払いをしないことで任意継続の資格を喪失することもできます)
保険料もこれまでは会社が負担してくれていた分がなくなるので、退職時の約2倍程度になります。扶養者が多い場合は国民健康保険に加入するよりも割安となる可能性があるので、よく検討してから決めましょう。
2.年金の免除申請を行う
年金は、未納にするのではなく、麺授与申請しましょう。
免除申請の手続きをせずに放置すると満額の年金が受給が出来なくなります。
年金の免除申請は、市役所の国民年金担当窓口で申請が出来ます。
3.所属していた健康保険組合/協会から申請書をダウンロード
所属していた健康保険組合/協会のWEBサイトから申請書をダウンロードします。
申請書は、4枚1セットになります。
- 被保険者記入用:2枚
- 事業主記入用(会社が記入する):1枚
- 療養担当者記入用(医師が記入する):1枚
4.自分で記入する
自分で「被保険者記入用」の2枚に記入しましょう。
5.申請書を医師に記入してもらう
医師に傷病手当金支給申請書の「療養担当者記入用」の記入を依頼します。これは、「働けない状態」であることを証明してもらう書類です。書類作成に2週間程度かかることもあるので、早めの依頼が肝心です。
6.申請書を会社(総務部)に記入してもらう
会社に傷病手当金支給申請書の「事業主記入用」の記入を依頼します。これは、給与が支払われていないことを証明してもらう書類です。
まとめて加入している健康保険組合/協会に送付
記入済みの下記の4枚を加入している健康保険組合or協会に送付します。申請して約1ヶ月で決定通知が届きます。
- 被保険者記入用:2枚
- 事業主記入用(会社が記入する):1枚
- 療養担当者記入用(医師が記入する):1枚
8.1ヶ月ごとに通院
傷病手当は「医師が証明した期間のみ」支給されます。そのため、毎月通院し「働けない状態」であることをい医師に証明してもらう必要があります。
9.失業期間の受給期間延長
「傷病手当」と「失業手当」は同時に受給出来ません。また、失業手当は、退職後1年経つと受給出来なくなってしまいます。ですので、そうならないように失業手当の受給期間延長申請が必要です。(退職日から32日以降にハローワークで申請が出来ます)
退職後 – 失業手当申請
申請の手順は下記の通りです。
- 再度通院
- ハローワークで受給期間延長申請の解除
- 求職活動
1.再度通院
再度通院して、病気が治ったことを主治医に伝えます。そして失業手当給付をいもらうために必要な「傷病証明書」「就業可能意見書」を発行してもらいます。
2.ハローワークで受給期間延長申請の解除
「傷病証明書」「就業可能意見書」をハローワークに提出し失業手当の受給期間延長申請の解除を行います。
注意点は、就業困難者に該当する旨を必ず伝えることです。(通常、失業手当受給期間は3ヶ月程度ですが、就職困難者の場合300~360日となります。※年齢によって異なります)
3.求職活動
失業手当は、求職期間中のみもらえます。そのため、月に1度ハローワークに行って求職活動を行う必要があります。健康保険加入者は、減免申請を行うことがオススメです。